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『祝福』

野中柊さんの本を初めて読みました。
移動図書館の棚にあったもので、やっぱりタイトルに興味を惹かれて手に取った本です。

 (『祝福』表紙)

短編集で、

  • しゃぼん
  • セカンドハウス
  • 銀の糸
  • 遊園地
  • メトロローム
  • 祝福 

と、ちょっぴり甘やかで、そしてせつない6つの大人の恋が語られています。
1番気に入ったのは、「銀の糸」。
赤い糸で結ばれる運命に憧れつつも、幾度かの出会いと恋と別れを経験して、赤い糸という丈夫な糸が、この世には存在しないと痛感する姉妹。
その代わりに、

あるとしたら銀の糸で、それは運命に導かれつつも、自分の責任で選んだ相手と意思的に結ぶものだけど、意思だけではどうにもならないこともあって、儚く、もろく、きれやすいかもしれない一方で、思いがけず強いかもしれない

と、思うようになります。
だからこそ、離婚した過去を持つ姉は、結婚している妹に、 

「たいせつにしてね」 

と告げています。
とってもズシっとくることばです。
人と人を繋ぐものが、見えない赤い糸や銀の糸という縁だとすると、その結び目を固結びにしてがっちりと繋がるか、プチッといとも簡単に切ってしまうか、意図しないのに切れてしまうかは、その結ばれたふたり次第。
見えないからこそ、本当に大切にしたいです。

それから、表題の「祝福」。

別れた恋人・洋唯と一緒に通っていたお気に入りのお店のシェフ・祐介と一緒に夜の植物園でピクニック。
そのきっかけは、真由と洋唯との恋愛が終わった時に、祐介が、

「かなわぬ恋の痛みは、僕にもよくわかるから」

と言って、お店ではなく、真夜中の植物園に連れ出してくれて、ごちそうを振舞ってくれたことから始まります。
夜の植物園でピクニックというシチュエーションが、とっても良いです。
現実問題、実行するには無理があるし、きっと真っ暗で怖いと思いますが、このピクニックのおかげで、恋を失ったばかりで、どん底の日々を送っていた真由が、

もう2度と恋なんてしないんじゃないか、その力が、残されていないんじゃないか

と心のどこかで諦めていた状態から、また恋ができるくらいに回復します。
もっとも、その恋も片思いで、一方通行の恋のまま終わってしまうかもしれませんが、心を閉ざすことなく誰かを想うことのできる幸せに気づいた真由と、意外な場所でのピクニックをすることで元気づけた祐介が、素敵です。
 

Note book information

文中の本の詳細については、本のタイトルをクリックして下さい。
「紀伊國屋書店」サイトへご案内します。 

   『祝福』

Note outline

光と闇が交錯するこの世界で、かけがえのないだれかとめぐり遭えたことの喜び。甘やかで、切なくて、くるおしくて、いとおしい…。『あなたのそばで』『きみの歌が聞きたい』で新世代の恋愛小説を切り拓いた著者初の短編集。幸せな予感に満ちあふれた表題作を含む、色鮮やかな恋の物語(帯より)。

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