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『塩の街』

例えば、

近い未来に死ぬことが判った場合、その時どうしますか?

と、いうようなシチュエーションのお話はいろいろあります。
今まで読んだ、そんな設定の本の中で、強烈に印象に残っているのは、新井素子さんの『ひとめあなたに・・・』というお話です。
簡単に言えば、「地球滅亡まであと1週間という時に、人はどうするか?」といった設定のお話です。

ですが、今回読んだ本は、そんな滅亡までの”終わりの話”ではなく、人類が死に逝く危機の中、「どうなるの?どうするの?」という感じのお話です。 

 『塩の街』の表紙)

タイトルから連想すると、世界が塩に変わっていくものかと思いきや、人間が塩のオブジェになってしまう恐ろしい話です。

簡単に説明すると、宇宙から飛来した謎の巨大物体が、世界中に落ちたそのときから、生きている人間が塩の塊に変化し、その後もその現象は、はっきりとした原因や因果関係など不明な<塩害>として続いていく。
そして、そんな世界になった時、普通に暮らしていては出会うことがなかったであろう、女子高生・真奈と空自の戦闘機乗りだった秋庭が出逢い、さらにその2人が、塩害にかかり残された時間がわずかしかない2人の人間と関わったことで、世界が再び変わることになるというストーリーです。

それにしても、以前読んだ『クジラの彼』でも、思ったことですが、有川さんの書く人物は、女性が強くて、男性が臆病です。

何しろ、塩害を止めるために、危険な任務についた秋庭は、

「単に好きな女が塩になるのをみたくなかった」

という理由で、真奈のいるこの世界を守ろうとしますが、その当の真奈が、

「たったひとりが手に入れば世界が滅びてもいい」

と、恐ろしいくらい正直な気持ちで秋庭の任務を止めようとします。
そして、最後には、そのものすごく自己中心的な想いと同じくらいの強さで、無事に帰ってくることを信じて待つことができる面も持ち合わせています。

恋する女性の想いは一途で強いです。だからこそ、物語はもちろんハッピーエンド。
『クジラの彼』同様、とっても大好きな1冊になりました。
    

Note book information

文中の本の詳細については、本のタイトルをクリックして下さい。
「紀伊國屋書店」サイトへご案内します。 
 
  『塩の街』

Note outline

塩が世界を埋め尽くす塩害の時代。塩は着々と街を飲み込み、社会を崩壊させようとしていた―。
“自衛隊三部作”の『陸』にもあたる、有川浩の原点。デビュー作に、番外編短編四篇を加えた大ボリュームで登場。第10回電撃小説大賞“大賞”受賞作を大幅改稿(帯より)。

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アリスの本だな」カテゴリの記事

コメント

うわー、偶然ですねぇ!
私、今日の午前中、
図書館からこの本を借りて来て、さっき読み始めたばかりです。
「ひとめあなたに・・・」は私にとっても忘れられない作品だけど、
世界の終わりを描いた作品なら
伊坂幸太郎さんの「終末のフール」も印象深いです。

投稿: ともみ | 2007年8月22日 18時07分

ホントにすごい偶然ですね~!
長い予約待ちから、ようやく読めた本だったし、『クジラの彼』で、
かなり有川さんを気に入ったので、期待して読みました。
で!
もちろん期待通りでした♪
 
伊坂さんの『終末のフール』も現在予約待ちの状態なので、早く
順番が回ってきて欲しいと、切実に待ってマス(笑)。

投稿: ありす・ゆらら | 2007年8月22日 22時17分

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