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難しい問題です・・・。

「同性愛ペンギンの絵本」

               ~『毎日新聞』 2006.11.20 夕刊より~

 

ニューヨーク・セントラルパーク内の動物園に実在しているペンギンたちを元に、書かれた絵本「タンゴが生まれて(家族は)3羽」が、ちょっとした騒動になっている、という記事です。

絵本は、雄2羽が、ひとつのたまごを温めて、ヒナを返した実話に基づいて、描かれているそうですが、その「オス2羽」が愛し合っていたという点が、大きな問題となっているようです。しかも、この絵本を学校の図書室から撤去するように、一部の保護者が求めている、という話を聞くと、ちょっと大げさではないかと思ってしまいました。

撤去を求める保護者の言い分は、

「同性愛の話が教育によくない」

とのことです。

ということは、もしも子どもが、何かのきっかけで、純粋に、ただこの本を「読みたい」と考えても、「よくないからダメ」と、子どもの希望を言下に切り捨ててしまうということに、なるのでしょうか。

それに、世の中には、そういう人びとがいるのも、事実なのだから、

「そういう話もある」

と、受け入れることは、無理なのでしょうか。

人の価値観は、それこそいろいろです。ましてや、宗教的なことが絡むと、難しくなることもあるのでしょう。でも、良いと思われることだけを大人が大人の基準で取捨選択して、子どもに与えることが、本当に子どもの幸せにつながるとは思えません。また、「よくない」と頭から否定してしまうことは、「よくない」という理由だけで、差別ができてしまうことを、子どもたちに教えることには、ならないのでしょうか。

今これを書いていて、ふと、以前、『ちびくろサンボ』という絵本が、人種差別につながるからと、国内で絶版になるという経緯があったことを、思い出しました。しかし、私もその本を持っていましたが、読んだ頃(もちろん小さい頃)は、絵本の表現が人種差別につながることなど、知りませんでした。

その後、人種差別がどういったものか知ったのは、学校の社会の授業です。また、絶版の問題が起こった時に、初めて、読んだ絵本が、別の視点から、そういう意味を持つこともあるということを知りました。だからでしょうか。そんな問題が起こったと知ったとき、本の思い出を無茶苦茶にされてしまったようで、なんだかものすごく、悲しい気持ちになりました。それまで、記憶に残っていたのは、「虎のバターがおいしそうだった」ということだけです。本の中のことばと絵だけで、充分だったのです。

今回の問題では、記事の中で、撤去を求めた保護者に対して、校長が、

「図書室をさまざまな人種、信仰の子供たちが使う」

と主張することで、その要求には応じていないと、書いてありました。

この校長のように、頭から排除や否定をせず、また、世界中の人びとが、「世の中にはいろいろな人がいる。いろいろなことがある」ということを、自然に、ありのまま受け入れることができるような世界になれば、皆で幸せになれるのになぁ・・・と、考え込んでしまった記事でした。

 

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